AIを使って、リモートで棚卸立会!? 導入する上で留意すべきポイントとは?

こんばんは! 現役会計士のTomoです。

近年、デジタル化が進み、AIを利用して棚卸立会を行う会社も出てきました。

ドローンやカメラを利用して、リモートで在庫をカウントすることが現実に可能になってきているのです。

コロナ禍において、家から立会ができることほど至高なことはない。

会計士にとって、AIは敵ではなく、味方として利用していくものだということは、

公認会計士がaiに代替される!? 会計士はもうオワコンなのか?

でも投稿しましたが、

かつて現場で四苦八苦しながら、実物を目で見ながらテストカウントをしていた身からすると、

AIで本当に棚卸チェックができるの?と疑問に思うことも多いです。

そこで今日は、Web立会を導入するにあたり、

被監査会社側及び監査法人側それぞれが留意すべきポイントをまとめてみました。

Tomo

Big4勤務の公認会計士です。 外資系会社の監査を専門としています。 主に監査法人での業務内容について投稿しています。 趣味は、テニス・ダンス・ギターです☺️




リモート棚卸立会を導入するにあたり留意すべきポイント2つ

リモート棚卸立会を導入するにあたり、留意しておくべきポイントは以下の通りです。

① 被監査会社側に追加の手間や障害が生じる

② 会計士の監査手続が煩雑化する

① 被監査会社に追加の手間や障害が生じる

AIを利用すると、

・突然通信障害が起きて、中断される

・バッテリー切れが起きる

・意図した通りにAIが作動しない可能性がある

もし、棚卸立会を実施している中で、

突然AIの通信が途絶えてしまったり、

ドローンが操作不能になり意図した方向に動かなくなってしまったら、

場が混乱することは目に見えております。

被監査会社は、監査法人側からあらぬ不正の疑いをかけられてしまう可能性もあるでしょう。

本番で突然AIが正常に作動しないといった事態が起きないためにも、

被監査会社側の担当者は、事前にAIのテストランを行うことが必須であるといえます。

AIのテストランを行うことで、


・AIで行きづらいロケーションはないか?

・バッテリーの持ち具合はどれくらいか?

を知ることができます。

A Iが行きづらいような倉庫や工場の在庫ロケーションを把握する上でも、

ロケーションマップや建物全体を俯瞰できる写真が関係者に共有されることが、

これまで以上に重要になると思われます。

このように、リモート立会導入に当たっては、事前に準備しておくことが多いため、

あらかじめ被監査会社側が、倉庫や工場側の立会担当者に

テストランや障害等に伴う追加の工数がかかることを周知しておくことが大切といえます。

Tomo
追加の工数に嫌気がさし、導入後一年でリモート立会をやめてしまった会社もあるのだとか。。。




② 会計士の監査手続が煩雑になる

リモート立会では、監査法人側の工数も追加で増える可能性があります。

というのも、

会計士が実際に実物を目で見ているわけではないので、

在庫の実在性・網羅性をカバーする上で手続きの不足が生じがちです。

やはり、AIだと、

・管理されている在庫が全て映像に映っているとは限らない

・映されていないロケーションがあるかもしれない

など、立会を行う上で限界があります。

リモート立会の限界を払拭するために、会計士は追加の監査手続を実施することがほとんどです。

(そもそも立会場所の重要性によっては、リモート立会自体認められないケースもありますが。)

そうなると、

・テストカウントの件数を通常よりも増やす

・抜き打ちでテストカウントを行う

・追加の資料依頼が生じて、経理や倉庫担当者に追加の負担がかかる

・会計士も追加監査手続を求められるため、通常よりも工数がかさむ

など、被監査会社、監査法人双方に負担がかかることになります。

まず、テストカウント数については、

監査法人側はたいてい25~30件を目安にカウントしますが、

事前のミーティングの結果、カウント数が倍に増えることもあり得ます。

ただでさえカウント差異が発生すれば追加の工数がかかるというのに、

カウント数自体が増えてしまうともっと時間がかかることが予想されます。

また、資料依頼については、

例えば、封をされている在庫の実在性を正確に検証するため、

封を開けて中身を調べるだけでなく、送り状や配送伝票等の外部証憑まで遡ることが監査上要求されています。

他にも売れ残りや陳腐化が想定される在庫については、リスクに対応するため、

通常よりも多くの資料が必要とされます。

期末でただでさえ忙しい時期に、会計士は通常必要とされなかった手続を求められ

かつ、経理や倉庫担当者側は会計士の要求する資料を準備しなければならず、

双方にとって、アフターケアがとても大変になることが想定されます。




リモート立会を導入するメリットも当然ある

さて、主にリモート立会を実施する際のデメリット面を投稿してきました。

しかし、当然メリットもあります。

例えば、

・実際に足を運びづらい場所も簡単にモニタリングできる

・現場に経理や会計士が集合しなくてよい

が挙げられるでしょう。

高所に在庫が積み上げられているような場合、AIだと容易に在庫を確認することができ、

在庫をリフトで移動させたりする手間が減ることになります。

また、経理、会計士にとっても何時間もの移動をして、現地に行かなくても良いことになります。

前泊しないといけないような場所だと大変恩恵が感じられるでしょう。

リモート立会導入にあたっては、こうしたメリットと追加で発生する工数や費用を比較衡量することが

大事になるのだと思います。




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